火曜日, 12月 13, 2005

外国人差別:日常生活での気づきにくい差別 無自覚の“偏見”に危機感 /大阪:MSN毎日インタラクティブ

外国人差別:日常生活での気づきにくい差別 無自覚の“偏見”に危機感 /大阪:MSN毎日インタラクティブ


外国人差別:日常生活での気づきにくい差別 無自覚の“偏見”に危機感 /大阪

 「共生社会」がうたわれて久しいが、外国人差別はなくなったのだろうか。在日コリアン2世で、多民族共生人権教育センター事務局長の宋貞智(ソンチョンヂ)さん(46)=旭区=の目を通して、日常生活の中で考える。【花岡洋二】

 宋さんは今年3月末、都島区へ長女(17)と一緒に外出。歩いていると、長女の様子がおかしいことに気付いた。「ショックやわ。きついわ」と繰り返して言う。説明をしぶる長女から無理やり聞き出すと、先ほど前を通ったラーメン店の窓に「アルバイト 大至急!!いらっしゃ~い 日本人に限る!」と告知する張り紙があったという。

 長女は韓国籍だが、日本で生まれ、地元の公立学校で学び、日本語しか話さない。ちょうどアルバイトを探している矢先だったが、自分を拒絶する告知に衝撃を受けていた。しかも盛んに「(抗議に)行ったらあかんで」と宋さんに食い下がる。

 宋さんは後日、長女に内証でラーメン店へ向かい、店長に張り紙について聞いた。

 店長「言葉ができなかったら対応ができないということやから」

 宋さん「面接したら日本語ができるかどうか分かる」

 店長「中国の子がよう来て、いい加減だった」

 宋さんはその場で引き下がったが、労働局の職員が店を訪問した結果、オーナーは「差別する意識がなかった」と説明のうえ謝罪し、張り紙をはがした。労働局は記者の取材に、「公正な採用・選考を呼びかけており、どの事業所にも本人の適正と能力で採否を判断してほしい」と説明した。

 その前月も、ラーメン店からはそう遠くはないスーパーで宋さんは、カニの産地表示に「北鮮産」と書いた値札を見つけた。

 1910年の韓国併合後、日本では「朝鮮」という地域名を「鮮」と略し、見下す表現として「北鮮」「南鮮」などという名称が使われた。その歴史的背景から、多くの在日コリアンは屈辱的な印象を受ける言葉だ。大阪市人権室の担当者がスーパーに説明すると、店長は謝罪し、値札を撤去した。

 ◇「地域」の意識向上必要

 また、同区の全国チェーンのホームセンターのカギ売り場で、かつて「外国人窃盗団暗躍」という見出しの週刊誌記事を転載したポスターを張り、防犯対策を呼びかけていた。宋さんらの抗議で、撤去された。しかし同店は現在、店外には「警察官立寄所」、店内には「両替えお断り」の知らせを、中国語、韓国・朝鮮語、英語など4カ国語に訳して掲示している。逆に商品を説明する外国語表記がない。「外国人は客ちゃうの?」と宋さんは嘆く。

 「わざわざ探しているわけではないのに、生活圏だけでこれだけ見つかる。一般市民が無自覚のうちに外国人差別をしていることを認識してほしい。今、人権意識が遅れているのは行政や企業だけではなく、『地域』とそこに住む一般の人たちもだ」と危機感を募らせている。

毎日新聞 2005年11月27日


単に気にしすぎなのではないか。
というかウゼェ。